農学部 生物生産学科

教授

現代のアグリビジネスは従来とは次元の異なる広がりを見せている。その１つの要因はグローバリズムの進展であり、規制緩和による市場の効率化が標榜され、農産物の市場開放は今後とも避けられない状況にある。また、日本国内に目を向ければ、生産から消費に至るフードチェーンの変容と、流通チャネルの再編や消費者志向の多様化が進んでいる。それらの結果として、カロリーベースの食料自給率は37％（2018年度）という現実がある。一方、食料はアグリビジネスの商材であると同時に、人間の生存にとってもっとも必需性の高い消費財でもあり、ビジネスとしての農業や食品関連産業は、同時に世界の人々の健康や福祉を担う産業であるという社会的使命を帯びている。アグリビジネスは、市場機構を信奉する営利的側面と、市場機構が失敗する公共財的側面の両面を有しており、これら2つの矛盾する側面をどう融合させるべきかについて研究を進めている。

https://www.takasaki-u.ac.jp/

北海道大学大学院農学研究科博士後期課程修了 1986年03月

博士(農学) 北海道大学